
そもそも、サステイナブルな国とは、どのような国を指すのでしょうか?また、世界から見て、日本はどのくらいサステイナブルなのでしょうか?
過去の記事で取り上げた、2020年度サステイナブルなグローバル企業ランキングを見ると、100社中6社、日本企業が選出されていました。これは、アジアでは最も高い数字になります。また、結果をエリア別に見ると、100社中、およそ5割がヨーロッパの企業、3割が、米国とカナダ、1割がアジア、残りの1割がその他のエリアでした。ですが、国別で見ると、どうなるのでしょうか?そこで、今回は国別のランキングを見ていきたいと思います。
本記事の、サステイナビリティ先進国ランキングは、2019年の集計結果です。(2020年版は、今のところ発表されていないので、発表までお待ちください)
サステイナビリティ先進国ランキング
日本はどのくらい?サステイナブル度のチェック
サステイナブル度を評価する際に、対象となるクライテリアは、下記の通りです。
項目 | 具体的な内容 |
持続性のある自然能力 | 資源の利用可能性、及び、資源の枯渇のレベルを含む、自然環境の持続可能性 |
持続性のある社会的能力 | 国内に於ける、人々の健康、安全、自由、平等、人生の満足度 |
リソースマネジメント力 | 資源制約のある世界での運用競争力の測定として、利用可能な資源を使用する割合 |
知的能力 | イノベーションと付加価値産業を通じて、富と雇用を生み出す能力 |
統治力 (ガバナンス) | インフラストラクチャ、市場、雇用構造、持続的で持続可能な富の生成のためのフレームワークの提供 |
興味深いですね。5つの項目全てが、互いに影響し合って、繋がっているとも言えます。それでは、ランキングを見てみましょう。
サステイナブルな国ランキング上位30
順位 | 国名 | 順位 | 国名 | 順位 | 国名 |
1位 | スウェーデン | 11 | オーストリア | 21 | ポーランド |
2位 | フィンランド | 12 | ニュージーランド | 22 | スロバキア |
3位 | アイスランド | 13 | スロベニア | 23 | ベルギー |
4 | デンマーク | 14 | アイルランド | 24 | ポルトガル |
5 | スイス | 15 | ドイツ | 25 | 日本 |
6 | ノルウェー | 16 | チェコ | 26 | ルーマニア |
7 | エストニア | 17 | イギリス | 27 | 韓国 |
8 | ルクセンバーグ | 18 | リヒテンシュタイン | 28 | リトアニア |
9 | ラトビア | 19 | カナダ | 29 | オランダ |
10 | クロアチア | 20 | フランス | 30 | イタリア |
日本は、25位でした!これは、上位に入った国の背景等を考えると、比較的良い結果であると言えるでしょう。サステイナビリティという言葉が浸透し、人々も持続可能な社会に向けて動いていると言えると思います。
ちなみに、スウェーデンは、過去数年に渡り、1位を保持し続けています。グリーンエナジー、再生エネルギーへの取り組みを行っている、社会保障が充実しているなど、当然の結果かもしれませんが、これは一重に、国民一人一人が高い問題意識を持っていることにも起因すると言えるでしょう。Statista が行った調査「サステイナビリティを考慮することは、どの程度重要か?」という問いに対して、非常に大きい、もしくは、比較的大きい割合を占めていると回答した人が、95%という結果が出ています。
グラフ:「サステイナビリティを考慮することは、どの程度重要か?」Statista 2020年調べ

サステイナビリティをリードする国々から、まだまだ学べることがたくさんありそうですね。
まとめ
みなさんの予測はどうでしたか?
個人的には、日本はもっと下なのかも?と正直思っていましたが、25位は悪くない結果だと思います。アジアをリードする国として、良き文化は守りつつ、人、社会、自然、環境に持続的な未来をもたらす国に成長して欲しいですね。特に、クリーンエネルギー、社会的能力の向上は、政治政策として取り組んで欲しいと思いますね。
一方で、北欧、とヨーロッパの国々が、上位を占めていたのは予想通りでした。特にデンマークは、エコフレンドリーな企業が多数あり、国と企業の方向性が見事に一致した結果でした。そして、驚いたのは米国の結果。比較的サステイナブルな企業が多いにも関わらず、国別ランキングでは、結果は34位と、かなり出遅れています。きちんと調べてみないとなんとも言えませんが、個人的には、国内に於けるサステイナビリティへの意識の格差によって生まれているのでは?と思います。例えば、環境汚染に対して対策をとっていない企業が野放しになっていたり、深刻な格差社会など、多くの問題を孕んでいる点が挙げられるでしょう。
国別ランキングでは、個人の力や意識までは、あまり見えてきませんが、私たち一人一人が、どのような未来を目指すのか、どのように変わっていきたいのか、個人個人が高い問題意識を持ち、行動することで結果は変わってくることでしょう。
参照元
The Global Sustainable Competitiveness Index (Sol Ability)
To what extent do you consider sustainability to be important? (Statista, 2020)