サスティナブル大国ノルウェーの暮らしを支える6つのポイント

ノルウェーはサスティナブルをリードする国。毎年最もサスティナブルな国に選ばれ、国民の80%以上が、サスティナブルを意識して生活しているとの調査結果もでているほど。ノルウェーをサスティナブルな国へと押し上げたキッカケの一つに、クリーンエナジーを使った、エナジー効率の良い暖房システムの利用があげられます。ですがそれだけでなく、様々なサスティナブルな暮らしの知恵が取り入れられているようです。

そこで、ノルウェーの人々が取り組んでいる、サスティナブルな暮らしのポイントを調べてみました。

サスティナブル大国ノルウェーの暮らしを支える6つのポイント

1. リユース文化

新しい物ではなく、古いものをリメイクして使ったり、お古や中古品を使うことが広く受け入れられ文化となっています。例えば、小学校では、教科書は新しいものを買う/もらうではなく、前の学年から、古いものをもらって使います。確かに何年かに1度は、教育のプログラムにアップデートがかかりずっと古いものを使う訳ではないようですが、使い回すことが小さい頃から当たり前とされているため、大人になっても、それが当たり前として受け入れられるのかもしれません。また、古い家具、洋服、小物などをC to C で、売り買いできるマーケットが確立されているので、消費者は積極的に使っているそう。中古品をリメイクして販売しているショップも多く、もはやリメイクとは思えないような質の高いものも、比較的、安価に手に入れられます。

日本でも、フリマアプリが充実してきたり、アップサイクル品を売る店も増えてきました。是非、こういったものを利用して、古いものを使う習慣をつけたいものです。

2. リサイクル

効率的なリサイクルを行うことでも有名なノルウェー。中でも画期的な取り組みが、フードコンポスト。日本では、自宅にコンポストがない場合、可燃ごみと一緒に捨てることになりますが、食べ物から出るゴミはコンポストとして、可燃ゴミとは別に処理されます。自宅でコンポストできなくても、燃やさずにコンポストしてくれるなんて素晴らしいシステムですね。是非様々な国で取り入れて欲しい分別システムです。

また、ゴミの分別に色分けシステムを導入していることでも有名です。色分けで分別の習慣を徹底するシステムは、一貫性があるので効果が出ているようです。家庭で使うゴミ用のゴミ袋は、ゴミの種類によってそれぞれカラーが決まっていて、更に、公園など公共施設に設置されているゴミ箱の色と統一されています。このようにして、外のゴミ箱だろうと自宅だろうと、徹底的に分別させる仕組みが整えられていることが、ゴミへの意識を高めているとも言えるでしょう。

3. パントシステム

アルミのカンやペットボトルに関しては、リサイクルするとお金が戻ってくるシステムが導入されています。アルミのカンやペットボトルのものを買うと、そこに数字が記載されています。これは、容器の料金で、返却することで、換金できるという訳です。殆どのスーパーマーケットにリサクルのマシーンが置かれていて、そこにカンとペットボトルを持っていくと、レシートが渡され、買い物の際に使うことができます。このパントシステムは、北欧の他の国でも使われているそうです。

4. ゴミ拾いエクササイズ “プロギング”

ジョギングとゴミ拾いをミックスした、新しいタイプのジョギング「プロギング」。ノルウェー全体でのエコフレンドリーなエクササイズとしてトレンドになってきています。元々、この活動は、ストックホルムで始まったそうなのですが、今やノルウェー全土に広まり、海外ではニュージーランド、オーストラリアなど様々な国でも広まりつつあります。実際に、30分のジョギングよりも、30分ジョギングしながらゴミ拾いをする方が、消費するカロリーが高いので、健康にも良い取り組みとして認知されています。

日本でも、アウトドア中に、ゴミ拾いをする姿をチラホラ見かけますが、拾ったゴミを一つの袋に入れて可燃 ?で捨ててしまうなど、捨てる環境があまり整っていないのが残念なポイントかと思います。公共のゴミ箱を分別が完璧にできるものが整ってくると、こういった活動への取り組みをサポートでき、より良い結果に繋がってくると思います。

5. プラスチックを減らす試み

スーパーマーケットでのプラスチックを減らす試みも、進んでいます。パッケージに使われるのは、リサイクルされたプラスチックか紙の物が多く使われています。特に、野菜や果物といったものに至っては、パッケージングの見直しが徹底されてきており、2020年の時点で、全体で1,260 トンのプラスチックゴミを減らすことにつながったと言われています。

生鮮食品のパッケージングは、個人的には、とにかく簡素になって欲しいですね。イギリスのスーパーマーケットでは、野菜や果物は、リサイクルプラスチックのバッグが利用されていることが多いのですが、そもそもバッグに入れてくれなくてもいいのに…というのが本音です。バッグにいれるのは、新鮮なものといまいちなものをミックスして、「まとめて売る」という商業的な戦略があるのもわからなくないですが、別の切り口で売り上げUPを考えて欲しいものです。

6. フードウェイストを減らす試み

レストランや、ホテルなどの消費期限が迫った食料品を安く購入できるアプリの普及により、食品を、食べずに捨てることを避けるエコサイクルが確立されてきています。これは便利で良いシステムです! 特に、都心部などで普及すると、win win の効果が期待できそうです。

個人で出来ることとしては、大体1週間分のメニューを立てて買い物をして、使い切るのがお勧めです。食べずに腐らせることを避けるには、計画的なメニューの計画が必須です。料理で使い切って、食べきれないものは冷蔵か冷凍して後日食べる、お弁当に使うなど、工夫をすれば、食べずに腐らせることを防げます。また、どうしても使いきらなかったものは、お漬物やピクルスにするのもオススメです。食べ物から出るゴミについては、意識することでグッとゴミを減らせます。

まとめ

いかがでしたか?どの取り組みも、とても興味深いと感じました。日本にいる間に、ビンテージの古着などを購入することは何度かありましたが、正直、品質やリメイクに関しては、まだまだ全てを古着にするのは難しいように感じました。アップサイクルしてくれる業者が増えてきてくれると、トレンドを抑えたビンテージアイテムが手ごろな値段で提供されてくると思います。今後に期待したいですね。

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